計画、設計、施工、研究の各分野が連携し、造園界が1つにまとまったのは昭和30年代からである。その中で造園デザイン理論や造園の普遍性を追求し、造園ランドスケープ躍動の時代の巨大なエンジンだったのが池原謙一郎である。 仕事には妥協を許さない厳しさを持ちつつも常に若き造園家を鼓舞し、次世代への期待と希望を込め、他方、仕事を離れれば人に優しく、無邪気な少年のようにサッカーを愛していた。 池原謙一郎という熱き造園人を、そして彼が活躍し造園界が燃えていた時代を、若い造園人に知っていただきたいと思う。
昭和の偉才 池原謙一郎 国土の社会資本整備が急務の時代‐序文 小林治人
第1章 ふるさと津島
⑴生い立ち ⑵学生時代 ⑶父、茂二 ⑷種田山頭火 ⑸野口米次郎
【池原謙一郎をたずねて① 津島町池ノ堂】
【池原謙一郎をたずねて② 山頭火ふるさと館】
第2章 造園との出会い
⑴大学生活 ⑵美術・デザインへの関心 ⑶モダンアート展に出品
⑷庭のデザイナー6人展
第3章 躍動する造園界
⑴日本住宅公団の創設 ⑵遊び場の研究会 ⑶造園懇話会
⑷世界デザイン会議 ⑸国際造園家連盟(IFRA)日本大会
⑹造園設計事務所連合
⑺雑誌「季刊ランドスケープ」
【池原謙一郎をたずねて③ 原宿・明東ビル】
第4章 池原の作品
⑴入谷町南公園 ⑵代々木公園計画設計競技 ⑶羽衣公園
【池原謙一郎をたずねて④ 入谷町南公園の変遷】
⑷金町駅前市街地住宅のプレイグラウンド ⑸長岡市セントラルパーク
⑹明治100年記念展望台 ⑺幸町公園 ⑻フィリピン戦没日本人慰霊園
⑼夢の島公園 ⑽竹園公園 ⑾ニューヨーク州立大学オーブレクト記念講演
⑿その他の作品
第5章 池原デザインの発想
⑴プレイスカルプチュア ⑵アースワーク(場の彫刻) ⑶立体的平面
⑷オニマス(作品性)とアノニマス(存在性)
⑸イメージスケッチ・模型製作 ⑹イサム・ノグチのこと
第6章 ランドスケープ・デザイン
⑴池原が歩んだ造園の道 ⑵公園の施設設計 ⑶公園とは何か
⑷公園から環境デザインへ ⑸造園・ランドスケープの体系化
⑹景のデザイン
第7章 愛するサッカーへの思い
⑴サッカーとの出会い ⑵サッカー狂会の設立 ⑶ニッポン!チャチャチャ
⑷浩宮様への贈り物 ⑸サッカーの発展へ
第8章 大学教授以降
⑴筑波大学教授に就任 ⑵退官記念論集「園をつくる」 ⑶多磨霊園に眠る
【池原謙一郎をたずねて⑤ 「園をつくる」】
【池原謙一郎をたずねて⑥ 父・謙一郎】
第9章 池原謙一郎の人となり
池原謙一郎・余話 小林治人
おわりに








