特集「中国へ」
-和諧社会へ向かう中国にランドスケープからの提言-
中国は197鄧小平が掲げた改革開放から1985年の「先富論」により、経済特区都市の深圳に見られるような臨海都市部のめざましい発展を成就した。しかしその一方で、急激な成長の歪みとして、地域間の経済格差、都市と農村の所得格差、都市内部の階層格差などを引き起こしている。さらにはグローバリズムがもたらした、食品問題、環境公害・汚染問題など、経済と環境の狭間で大きく揺れる現実がある。
これらの格差社会の是正のため、「先富論」から現在の胡錦濤政権が掲げる「和諧(調和の取れた)社会」へ向かい、中国が緊急に取り組むべき課題は、環境保全と省エネ対策といえる。
また中国の社会問題とは同時に、バランスを欠いた日本社会の、都市土地法の経済格差、国民の所得格差問題などともイコールである。
このようなバランスをいかに保ち、持続可能な発展社会を築いていくか。その問題解決の糸口は、中国5000年の歴史の中で培われた「風水文化」にあるのではないか。人と自然の共生概念を生み、住みよい移住環境を生み出した風水思想、「水に向かい、山を背にする」生態環境こそ、理想の景観であり、ランドスケープの視点でもある。この中国独自の文化から、自然生態環境と人為的環境の調和する社会実現の可能性が見えてくるにちがいない。
アジアの時代とされる中で、中国と日本がともに進むべき理想の社会として、人と自然の和諧、環境と経済の和諧、都市と農村の和諧を目指す「中国へ」大きな期待を込めて、ランドスケープから提言したい。